おおつか食堂IV

導かれしものたち

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

白金ナノコロイド

テレビを見ていて、DHC「白金ナノコロイド」のCMを良く目にする。
「プラチナは錆びない」から「美容、健康に良い」という論法が
一応化学、薬学業界の隅っこにいる自分の中で全く理解不可能なので、
ちょっとお勉強してみた。

以下、DHCウェブサイトより抜粋。

「貴金属の王様」といわれ、半永久的にサビないプラチナ。ナノコロイド化したプラチナが肌荒れやコンディションの衰えなど、さまざまなダメージを引き起こす原因にアプローチ。肌のうるおいをキープしながら、美肌成分の浸透をサポートし、理想の美肌に導きます。

ナノ化したプラチナを均一に分散させたプラチナナノコロイドは、胃液で消化されず腸でも吸収されないことから、体内に蓄積される心配もありません。

プラチナの持つ(-)電位が表皮の水分子を電気的に働かせ、活性化。肌の保水力を高めます。
プラチナは、一過性の機能ではなく触媒機能として働くため、成分自体のパワーは失われず、働きは半永久的に持続。角層に存在する限り機能し続けます。
プラチナ自体が体内に吸収されたり、蓄積されることはありません。


引用おわり。予想通り、全く要領を得ない。
そもそも消化管で吸収されないものを飲んでどうするのだろうか。
さらに、金属がマイナス電位を持つといわれても、
「そりゃデタラメだろ」という感想しか持てない。
マイナスイオンの時は散々「プラスイオンである重金属」とか言ってたくせに、
自分たちの都合で勝手に電荷を逆転させないでもらいたい。
貴金属は全て重金属、電気的に中性である。高校生でも知っている。


という事で、もう少しまともな文章を探してみた。結果を以下に抜粋。

1. 白金は抗酸化作用あり
2. ナノサイズのコロイドに調整することで、体内に吸収される(?)
3. 白金は食品添加物としても認可されており、安全
4. 白金ナノコロイドをALS(筋萎縮性側索硬化症)マウスに投与した所、
進行が有意に遅くなった

吸収性に関しては、DHCの宣伝と矛盾しており、良く分からないのだが、
全く吸収されないものの薬理作用を議論しても意味が無いので、吸収されるという前提で話を進めたい。
ただ、これらの全てを満たしたところで効果、安全性は何一つ証明されていない。軽く考察をしてみたい。

まず分かりやすいところで「食品添加物として使われているので安全」説だが、
これは消化管から吸収されない粒子サイズだから成り立つ話であり、
消化管吸収されて肝臓を通過、脳、その他臓器に分布した際の
安全性(特に長期)に関しては何も説明がついていない。
吸収されないと断言しているDHCも、
そもそもその「事実」をどう判断しているのか?
ヒトに投与して糞中の白金量でも調べたのだろうか。

続いて1に関して。
白金が還元反応の触媒によく用いられるのは事実だが、
生体内での抗酸化とケミカルな還元(水素化反応など)を同列に論じていいのかは分からない。
生体内での還元反応を重金属が触媒するというのは、少し違和感を感じてしまう。
そもそも活性酸素と老化の関係は全くクリアではないのだが、
そこまで踏み込んだ考察はここでは止めておく。

続いて4に関して。
ALSを遅らせたのは白金によって活性酸素が減ったからだ、
というポイントをどう押さえているのかが気になるところだが、
そこまで詳細に踏み込まなくても、「飲んだ、抑制した」という結論だけで、
まあこれはこれでまともな実験結果だと思う。
ただ、ALSの進行(しかもマウス)とお肌のハリツヤとを同列に語ることには随分な無理がある。
薬で病気の進行が止まるからといって、健常人の健康を促進とは言えず、
抗癌剤を飲んでも癌の予防にならないのと同じ。
白金とお肌の潤いの相関を調べたマトモな実験は無かったが、
唯一、かの有名な松下電器スチーム式美顔器という、プラチナを顔に吹き付ける妙な装置を売っており、その商品の実験結果がウェブ上にも掲載されている。
http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn060824-1/jn060824-1.html
n=10(30歳代後半~40歳代前半の健康な成人女性)、8週間連用において、
改善傾向にあることが読み取れる。
nがあまりにも少ない、二重盲試験を行っているのか、
実験のコンディション(睡眠時間、食事、ライフスタイル等)を統一しているのか、など、疑問が多く残り、
あるある大辞典やおもいっきりテレビ級のテキトー実験に見えてしまう。
医薬品レベルの試験は難しいまでも、かの大企業松下電器様の実験としては、
極めて低レベルで、ナメるなと怒りすら覚える。
肌に塗布することによる効果はゼロとは言えないのかもしれないが、
検証がいくらなんでも雑である。



長くなってきたので一旦まとめると、
・白金の飲用する事の効果は不明(少なくともお肌の潤いとの相関は見受けられず)
・長期にわたる安全性は不明瞭、少なくとも急性毒性はなさそう?
・肌に塗布する事による効果は不明瞭だが、無くは無いのかもしれない
・企業によって説明が矛盾している点がある

効果を全否定するほどのネタは無いのだが、どうも「いかにも」な臭いが漂っていることは事実である。
とりあえず白金入りの水を飲んだり白金サプリメントを食ったりするのは、
個人的にはオススメはしない。
スポンサーサイト
  1. 2007/01/20(土) 00:29:16|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:1
  4. | コメント:0
<<捏造 | ホーム | ようやく>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://benzodiazepin.blog41.fc2.com/tb.php/77-e194c26f
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

筋萎縮性側索硬化症について

筋萎縮性側索硬化症筋萎縮性側索硬化症(きんいしゅくせいそくさくこうかしょう、amyotrophic lateral sclerosis、ALS)とは、重篤な筋肉の萎縮と筋力低下をきたす神経変性疾患である。きわめて進行が速く、半数ほどが発症後3年から5年で呼吸筋麻痺により死亡する。有効な治
  1. 2007/04/16(月) 07:12:57 |
  2. 脳の知識

プロフィール

まつお

Author:まつお
禁煙にほぼ成功。
酒は減らず。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。